FXで取引をしていくなら、絶対に知っておくべき用語のひとつが「スプレッド」です。
スプレッドとは何なのか、
スプレッドが通貨ペアによって違ったり変動するのはなぜなのかなど、
理解しておくとトレードして行く上で役立ちます。
スプレッドについての基本的な知識についてまとめてみました。
スプレッドって何?
スプレッドとは、『売値と買値の価格差』のことです。
売値と買値の差???となる人もいますよね、きっと。
上の画面は、私がFXを始める前に利用していたデモアプリの画面です。
このように、
FXの取引画面には「売る価格(Bid)」と「買う価格(Ask)」が同時に表示されています。
これをみて「ん??」と思った人もいると思います。
そうです!売る場合と買う場合の価格がずれているんです。
上の画面だと、売値は『109.858円』ですが、買値は『109.860円』となっているので、
差額が0.002円(0.2銭)ありますよね。
この差額が「スプレッド」と呼ばれるものになります。
そして、だいたいどのFX会社の取引画面でも、
売値と買値の表示がされている近くに『SP(スプレッド)』が表示されているはずです。
上の画面でも、売値の買値の間に『SP 0.2』という表示がありますね。
これがスプレッド表示になります。
スプレッドはFX取引にどう影響する?
スプレッドは、
私たちがFXの取引を行ううえでかかる手数料のようなものになります。
先ほどの画像の場面で、『買って売る』を一瞬で行ったとします。
レートが動いていないのであれば、
普通に考えたら、損益は0円のはずだと思いますよね。
しかし、例えレートが動いていなくても、109.860円で買って109.858円で売ることになるので、109.860円 – 109.858円 = 0.002円損するのです。
これがスプレッドであり、
トレードするたびにかかる手数料(コスト)であるということです。
0.002円なんて微々たるものだと思ってしまいそうですが、
これは1通貨ペアの取引にかかるコストです。
一般的に、1000通貨や1万通貨単位での取引をしているわけですし、
ロット(lot)増やして取引している人も多いでしょう。
そう考えると、
・1万通かでは、0.002 × 1万 =20円
の手数料が、取引を行うたびにかかるということになるわけです。
ロットを増やして取引をしている場合は、さらに『×ロット数』分のコストになります。
そしてさらに、
1日に何度も売買を行うスキャルピングやデイトレードのようなトレードスタイルの人は、
その都度スプレッドとして手数料を取られていることを忘れてはいけませんね。
スプレッドは取引のタイミングで勝手に差し引かれているものです。
あとから、スプレッド分をFX会社に支払うというようなことはありません。
自動的に差し引かれているので気にしない人もいるかもしれませんが、
『コスト』としてかかっていることは覚えておいた方がいいと思います。
スプレッドは変動する?!
スプレッドは、FX会社のホームページなどを見ると表示されています。
上の画面は、GMOクリック証券のホームページに表示されているスプレッドです。
(2020年2月時点)
例えば、米ドル/円のスプレッドは0.2銭と表示されていますが、
実際はスプレッドが0.2銭でない時もあるのです。
あ、先に注意しておきますが、
これはGMOクリック証券だからではなく、どのFX会社も同様です。
私、FXの取引を実際に始めてみるまで、スプレッドは固定だと信じていました。
ある日、米ドル/円でトレードしようと思ったら、
スプレッド0.2のはずが0.4になっていたことがあったんですね。
で、
「このFX口座はスプレッドが0.2のはずだけど何で?!」
となったわけです。
そこで調べてみると、どうやらスプレッドは変動するものということなんです。
各FX会社のページをよく読むと、スプレッドは『原則固定』だとしっかり明記されています。
私がしっかり読んでいなかったという単純なミスですね(;^ω^)
『原則固定』という表現は、なんとなく分かりづらいですが、
原則としては固定だけど、変動することもあるという意味になると思います。
では、スプレッドが動く理由はどんな時なのか?が知りたいですよね。
スプレッドが動く理由は?
スプレッドは、FX会社が自由に決めることができるものなのだそうです。
ということは、スプレッドを高くしておいた方がFX会社としては儲けが多くなり潤いますよね。
でも、トレードを行う私たちにとっては、スプレッドが低い方が都合がよく、
できるだけスプレッドの低いFX会社で取引をしようと考えます。
そのため、FX会社は顧客獲得のために、スプレッドをできるだけ低く設定しようとしてくれているのです。
でも、FX会社も利益を取らなくてはやっていけません。
スプレッドが広くなる時には、それなりの理由があるということです。
流動性が低いとスプレッドが広くなる
スプレッドが広くなるひとつ目の理由は、為替の流動性が低いことです。
通貨ペアによって設定されているスプレッドが異なるのも、これが理由です。
流動性とは、取引の動きやすさや成立のしやすさのことを指します。
つまり、取引に参入している人(市場参加者)の多さということです。
例えば、米ドル/円の通貨ペアは、
取引に参入している市場参加者がとても多く、流動性が高くなります。
流動性が高ければ、『取引が成立しやすい=取引回数が多い』ということなので、
スプレッドが狭くてもFX会社のリスク回避が可能です。
しかし、新興国などの通貨ペアの取引だと、
そもそも市場参加者が少ない(流動性が低い)ため、取引の成立がしにくいということになります。
そうなると、FX会社は自分たちのリスクを抑えるために、
スプレッドを広く設定するのです。
また、同じ米ドル/円の中でも、
流動性が低い時間帯や時期によって、スプレッドは変動します。
これも、通貨ペアのリスクと考え方としては同じ。
世界の三大市場(ニューヨーク、ロンドン、東京)のいずれも全く開いていない時間帯は、
どうしても市場参加者が少なくなるため、スプレッドが広くなりやすいです。
時間で言うと、朝の5時~8時頃ですね。
もちろん、要人の発言や突発的な事象があれば取引は活発になるので、
上の時間が必ずしも流動性が低くスプレッドが広くなるというわけではないですが、
比較的スプレッドが広くなる可能性が高い時間帯となります。
他に、時期という点でもスプレッドが広くなる時があります。
例えば、クリスマス時期や年末年始などは、市場参加者が少なくなる傾向があり、
時間帯問わず、スプレッドが広くなる可能性もあるようです。
為替レートの急激な動きでもスプレッドが広くなる
為替レートは、急激に上昇したり大暴落したりすることがあります。
要人の思いもよらない発言や、国際的に大きな事件などの突発的な出来事によって、
突然一定の方向へ向かって急激にレートが動くのです。
このような、急激に一定方向へレートが動く場合にもスプレッドが広くなります。
流動性が高いはずなのに何で?と思ってしまいそうですが、これにも理由があります。
相場が急上昇したり急落しているということは、市場参加者は多いとは言えます。
しかし、流動性(取引が成立しやすい)という点から見るとどうでしょう?
どちらかに急激に動いているということは、注文がどちらか一方に偏るということです。
急激に動いている時は、注文してポジションを保持している人は多くなりますが、
決済する人はそれほど多くはなりません。
取引に参加している人は多いけど、決済する人は少ないので、
流動性は低いという判断となり、スプレッドは広く設定されることになるのです。
これも、FX会社側のリスク回避のための策というわけです。
スプレッドは原則固定だけど、広がる可能性もあるというのは、
主にこの2つの理由からです。
FXの取引をする際には、
ポジションを持つ前にスプレッドを確認するクセはつけておいた方がいいと思います。
特にスキャルピングやデイトレードの取引スタイルの人は、
『わざわざスプレッドが高い時に注文をする必要があるのか』も考えるといいと思います。
スプレッドとは?まとめ
スプレッドは、FXで取引を行う上では必ず覚えておくべきものです。
スプレッドとは何なのか、広くなる時があるのはどうしてなのか?
はちゃんと理解しておいた方がいいと思います。
そしてスプレッドは、通貨ペアやFX会社によって異なるため、
・どの通貨ペアで売買したいのか
・どこのFX会社で口座開設した方がいいのか
を決める際のポイントにもなるので、ちゃんと理解しておくといいですね。