お子様の成長をお祝いする七五三。
身の回りの準備は整いつつある中で、ふと「お参りはどこに行けばいいの?神社?お寺?」
と疑問に思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
●七五三は神社とお寺どっちに行けばいいのか?
●神社とお寺の違いは?
●身内にご不幸があった場合の七五三はどうすればいいか
今回は、このような疑問を解決していきましょう。
七五三のお参りは神社?お寺?
七五三とは、旧暦の11月に氏神様へ、収穫のお礼とともに
子どもが無事に成長できたことに感謝を捧げるために行われる行事です。
生まれた土地の氏神様が子どもを守ると言われるため、
もともと七五三は、自宅近くの神社へ参拝するのが当たり前だったのだそうです。
しかし、現在ではお寺でも七五三の参拝を受け付けているところが多くあります。
仏教では、仏様や先祖の霊が子どもを守ると言われるため
「子供が無事成長できたことを、仏様や先祖に感謝する」という意味を持ちます。
つまり、神社とお寺の違いは、
●子供の成長を神様へ報告と感謝と伝え、加護を祈願
●子供の成長を仏様や先祖に報告と感謝を伝え、加護を祈願
の違いということです。
ですので、神社とお寺のどちらへ七五三の参拝をするのが良いのか、
結論としては、どちらも間違いではないのです。
また、本来は氏神様に感謝をささげるものですが、
現在は生まれた地域等に関係なく、有名な神社などに行かれる方も多いようですしね。
「子供の成長を感謝し、加護を祈る」ための参拝ですので、
ご家族がその気持ちを大切にされていれば、神社でもお寺でもどちらも正しいし、
氏神様でなくても大きな問題はありません。
神社とお寺それぞれの作法や思いの違い
神社とお寺では、作法が異なります。
七五三参りの際に作法を間違えないよう、覚えておきましょう。
ご家族の作法は、お子様も見ていますよ。
お子様が間違って覚えないためにも、確認しておくといいですね。
神社での七五三参りの作法と思い
神社での七五三参りは、子供の成長を神様へ感謝・報告し、加護を祈ります。
◆神社での作法
①鳥居の先は神様の領域です。
鳥居をくぐる前に服装や姿勢を正しておきましょう。
鳥居をくぐる際には、神社に向かって一礼します。
②参道の中央は神様が通る場所(道)とされているため、
中央を避けて静かにゆっくり歩きましょう。
③手水舎(場)に入る際にも一例し、水で手と口を清めます。
手水の仕方にも作法があるので、YouTubeなどを見て覚えておくようにしましょう。
④本殿に着いたら、会釈しお賽銭を入れます。
⑤「二礼二拍手一礼」で拝礼し、最後に会釈をしてから退きます。
⑥帰りも参道の中央を避けて静かに歩き、
鳥居から出る際に、振り返り神社に向かって一礼しましょう。
◆神社でご祈祷を受ける
七五三のご祈祷を受ける場合には、「花結」ののし袋を用意します。
表には「初穂料」または「御初穂料」と書き、名前はお子様の名前を記入します。
最近では、のし袋は不要としている神社もありますが、
その場合でも、最低限封筒に入れて持参しましょう。
当日は、受付で用紙に必要事項を記入し、初穂料をお渡しします。
もしご祈祷の予約が可能な神社でしたら、事前に予約をしておくことをおすすめします。
特に、お日柄の良い土日は混み合い何時間待ちとなる場合もあります。
お寺での七五三参りの作法と思い
七五三参りは、お寺に行くことにしたという場合は、
まず参拝したいお寺に七五三の参拝が可能かどうか確認してみましょう。
お寺によっては、七五三のご祈祷を受け付けていないところがあります。
また、お寺の行事などで、日によって参拝が難しいこともあるようです。
また、ご両親や義両親も一緒に参拝される場合「七五三は神社」と考えている人も多いので、
事前にお寺に参拝することを伝えて納得してもらうことも大切ですよ。
お寺での七五三参りは、
仏様やご先祖様に子供の成長を感謝し、加護を願います。
◆お寺での作法
①山門は、仏様の領域への入り口ですので、一礼してくぐります。
門の両側に仁王像が安置されている場合は、両像に手を合わせるとなお良いです。
②手水での作法は神社と同じです。
手と口を清めましょう。
手水舎がない場合は、そのまま本堂に進みます。
③常香炉があれば煙を体に浴びます。
煙とともに欲を捨て、清らかな気持ちになると言われています。
煙の高さが高くなど子供が自力で届かない場合は、
重いかもしれませんが抱っこなどで主役の子供にも煙を浴びさせてあげてくださいね。
④お賽銭は投げ入れるのではなく、賽銭箱に近づきそっと入れます。
鈴があれば3回鳴らし、両手を静かに合わせて祈願します。
神社とは異なり、拍手は打たないように注意しましょう。
最後に一礼して退きます。
◆お寺でご祈祷を受ける
七五三のご祈祷を受ける場合には、「花結」ののし袋を用意します。
表には「御祈祷料」または「御布施」と書き、名前はお子様の名前を記入します。
大きなお寺や混み合う七五三シーズンでは、のし袋は不要としているお寺もあるようですが、
その場合でも、最低限封筒に入れて持参するのがマナーです。
お詣り当日、祈祷受付で用紙に必要事項を記入し、御祈祷料を渡します。
もしご祈祷の予約が可能なお寺でしたら、
予約をしておくと、混み合った時に困らずに済みますよ。
七五三参りは近場がおすすめ
せっかくの七五三参りだから、
有名な神社やお寺に行きたいと考える人もいると思います。
しかし、七五三参りはご自宅から遠くない神社やお寺がおすすめです。
本来の七五三は、
生まれた土地の氏神様へ子供の成長を感謝し、今後の加護を祈るための行事だからです。
それに、何より慣れない衣装で長時間の移動はお子様が疲れてしまいます。
ぐずったりすると、ご家族も大変な思いをすることになります。
参道が長かったり、階段の多い神社やお寺も、できれば避けてあげた方が良いでしょう。
お子様が無理なく行ける範囲で、お参り先を選ぶと良いですね。
七五三のお参りは喪中の間はダメ?
忌中や喪中と七五三の時期が重なった場合、どうしたらいいのか悩みますよね。
せっかくのお祝い事だけど、やってはいけないのかな?と。
七五三のお参りは、
「忌中は避けるべきだが、喪中であれば参拝しても問題ありません。」
神道では、故人がなくなってから50日間(仏教では49日間)を忌中、
1年間を喪中といいます。
忌中は、身内を亡くし暗く沈んだ気持ち、「気が枯れた」状態です。
そのような状態で神様にお会いするのは避けた方が良いと考えられているのです。
その為、忌中の間は神社への参拝はやめておきましょう。
忌中の間は避けるべきですが、
忌中明けで喪中であれば、七五三のお参りは全く問題ありませんよ。
ただ、身内の不幸からの期間や関係によっても思いが違ってくるでしょう。
あまりに悲しみが癒えない状態であれば、七五三のお祝いはささやかに行ない、
気持ちが落ち着いてから盛大にお祝いしても良いと思いますよ。
お子様が後々「祝ってもらえなかった」と思ってしまわないように、
気を配ってあげましょうね。
七五三は神社?お寺?まとめ
七五三は、もとは近所の氏神様(神社)へ参拝するのが通例でした。
しかし、「子供の成長に感謝し、これからも見守っていただくようお願いする」相手は、
神様だけでなく、仏様やご先祖様などさまざまになってきました。
そのため、七五三のお参りは、神社とお寺のどちらでも良いのです。
最近では教会でも受け付けているところがあるようですよ。
ただ、神社とお寺では、作法も考えも異なります。
しっかりと作法を覚えて、失礼のないようにしておきましょう。
また、「喪中の間は神社に行ってはいけない」と勘違いされている人が多いですが、
喪中の間であっても、忌中さえ明けていれば七五三の参拝は全く問題ありません。
お子様の成長を、故人の方も喜んでくださっていると思いますので、
ぜひ七五三のお祝いをしてあげてくださいね。