ニュースで、ネプチューンの名倉潤さんがうつ病で2か月間休養されると報道されてましたね。
実は私も、15年ほど前にうつ病を発症したことがあります。
今は完治していますが、治るまでそれはそれは長く時間がかかりました。
そこで今回は、私の体験をお話することで、
うつ病なのかを早めに気づいたり、
罪悪感なく仕事が休めるようになってくれたらいいなと思います。
うつ病と気づくきっかけはある?
私は、自分がうつ病と気づく(自覚する)まで随分と長い時間がかかりました。
自分がうつ病になるとは、全く想像もしていなかったからなんですよね。
なぜうつ病になったのか?
そこから時系列で書いていこうと思います。
私がうつ病になった原因は?
私、自分で言うのもなんですが、仕事ができる方だったんです。
そのおかげで、ある大きなプロジェクトのリーダーを任された時があったんですね。
これが初めて任された大きなプロジェクトでした。
プロジェクトメンバーには、他部署の人が5~6名入っていたのですが、
1人を除きすべてが年上の人達ばかり(1人は1歳年下)。
そんな人たちを率いていかなければいけないんだと、
気を引き締めて、準備やら外部との調整などを必死にやっていました。
でも、恐らくこんな若造(そんな若くもないんですけど・_・;)の、
しかも女性がリーダーなことが気に入らない人が、メンバーの中にいたようなんですよね。
私が知らないうちに、
表向きはいい人なのに影で非協力的な動きをする人が1人、2人と増えていき、
私が何かおかしいと気づいた頃には、メンバーの全員が敵のような存在に。
それでも何とか頑張っていたんですが、最後のトドメは私の直属の上司でした。
私の頑張りを見てくれていると思っていたのに、
上司は、すべて私が悪く、他のメンバーの意見がすべて正しいとして私を責めたんですよね。
そこで、どうやら私が何とか保っていた気持ちがブチっと切れてしまったんです。
うつ病に気づいたのは?
上司に責めたてられ、最後の糸が切れてしまった翌日の朝、
私はいつものように仕事に出かけようと支度をしていたんですが、
家を出る時間になると、体がまったく動かなくなってしまったんです。
あれ?なんで立ち上がれないんだ???
という感じ。
で、この日は会社に電話して、体調不良で休みを取ったんですね。
そして、この日のうちに精神科の病院を受診するのです。
この時、なぜすぐに精神科の病院に行けたのか?
というと・・・
すでに私の言動がおかしいと感じてくれていた友人が、
普段の会話の中で、精神科の病院の話をしていてくれてたんですよね。
この会話をなんとなーく覚えていた私は、自然と病院へ電話していたんです。
友人の勘ってすごいな、ありがたいな~と感じましたよ。
この友人が『言動がおかしい』と感じたのは、私のどんな言動だったのか?
元気になってから友人や仕事仲間の人達に聞いてみたことがあります。
なんとなく、カラ元気な感じだったという人もいれば、
私が謝る必要がない場面で、なぜかすごく謝っていたと言っていた人もいました。
「なんで私、こんなことができないんだろう」とつぶやいていたこともあったそうです。
仕事に対しては結構強気?な私が、謝る必要がなさそうな部分で謝ったり、ネガティブな言葉を発していることが『言動がおかしい』と感じたんだそうですよ。
こうして気づいて気にかけてくれている人もいるって、本当にありがたいことですね。
病院ですぐにうつ病と診断され、先生にまずは1ヶ月会社を休むようにと言われます。
診断書を受け取り、その足で会社へ向かいます。
朝は会社に行こうと思ったら動かなかった足が、
休むことが決まったら会社に行ける、という不思議な状態に。
でも、自分の上司に連絡することはどうしてもできなかったので、(元凶だから?)
総務の担当者に連絡して会社の駐車場まで診断書を取りに来てもらいました。
実はこの時の私、まだうつ病だと自覚できていなかったんですよね。
診断書提出したし、これで堂々と会社が休める~♪と軽く考えて喜んでいました^_^;
うつ病の治療には自覚することが大切
うつ病と診断されて1ヶ月。
2日に1回のペースで病院へ行き、先生とお話をします。
大した話はしません。
たぶんその時の私の心の状態を見るための時間だったんだと思います。
ずっと不眠にもなっていたので、精神安定剤とともに誘眠剤ももらっていました。
だから、眠れているか?薬が合っているか?なども診てくださっていたんだと思います。
こうして1ヶ月が過ぎようとした頃、
「診断書の期間(1ヶ月)が終わりますがどうしましょうか?」
という話になりました。
私は、十分仕事も休んだから、早く仕事に戻りたいと思っていたので、
「会社に行きます」と先生に伝えました。
でも先生は心配そう・・・。
「もうしばらく休んだ方が良いと思いますが、本当に行きますか?」
と何度も確認されました。
「はい、行きます」
と答え、会社には○日から出社しますと連絡をしました。
そして、いざ復帰の日。
朝、支度をして車に乗り、会社の近くまで走ります。
この信号を右折したら会社に到着するというその信号の手前で
突然心臓が変な鼓動を始めます。
右折しなきゃと思うんですが、どうしても右折車線に入ることができないんです。
で、そのまままっすぐ進み、近くの駐車場に停車させて病院へ電話。
(私)「先生、会社に行く最後の交差点が曲がれませんでした(T_T)」
(先生)「安全な場所に車は停めてますか?家には運転して帰れますか?」
(私)「はい、停めて電話しています。運転はできます」
(先生)「では、緊急で予約入れるのですぐに病院に来てください」
と会話して、そのまま病院へ向かいます。
この時の私は、会社へ電話ができる精神状態ではなく、
病院で先生の診察を受けている時に、出社しない私を心配して会社から電話があり、
やはり行けないことを先生から伝えてもらいました。
この日の病院での先生とのやりとりは、私にとっては衝撃的でした。
(私)「先生のおっしゃったとおり、会社・・・行けませんでした」
(先生)「『そこを曲がると危険だ』と、体が感じたから曲がれなかったんでしょうね。
まだ会社に行ける状態じゃないと思ってましたよ。」
(私)「本当にうつ病なんですね、私」
(先生)「そうですね。自分でうつ病だと認めることが治療の第一歩ですよ」
と。
私はここまでの1ヶ月、自分がうつ病だとちゃんと自覚できていなかったのです。
だから、最初はやったー!休めるー♪みたいな軽い感覚だったんですね。
この日、初めて先生の前で泣きました。
うつ病で仕事は休んだ方がいい?
うつ病は、軽いものから重度なものまであるし、タイプもさまざまで、
人によって全く違ったりするようです。
私のように、仕事が原因でうつ病を発症した場合には、
仕事を休んだ方がいいと言われています。
数年前にも、同じ部署にうつ病の社員がいましたが、
彼は、私のように長期の休みを取らず、出社を続けました。
ただ、週に2~3日突然休んだり1週間連続で休んだりはしていて、
今もうつ病は治っていないし、休みがちなのも変わりないのだそうです。
(現在、私がこの会社にいないので現在の様子は聞いた話ですが)
うつ病と診断された時、仕事をどうするかについてはそれぞれの思いがあると思いますが、
長期休むより、予定していた日に突然休まれた方が迷惑なのではないか
という考え方もありますよね。
それに、仕事や会社での人間関係が原因ではない人は、
そもそも仕事を休む必要はないのかもしれません。
このあたりのことは、精神科の先生の判断にお任せするのが一番です。
『会社を長期で休むと居場所がなくなってしまわないか』
私のようにプロジェクトを抱えているような人は、『途中で投げ出して無責任だと思われないか』
といった不安はどうしても付きまといますが、自分の心や体が一番大切!と割り切るしかないのだと思います。
もちろん、元気になった今だからそう思えるんですけどね。
当時は不安でいっぱいでしたから。
うつ病で会社を休むけど、元気な時は?
私のうつ病は、比較的軽度だったようです。
そして、仕事に関係しない場所ではとても元気でした。
といっても、最初の2ヶ月程は病院以外で外に出ることはなく引きこもっていたし、
友だちとの連絡なども煩わしくて、メールなどはまるっきり無視していました。
そのおかげで、随分と友達が離れていきました。
その中でも、それとなく病院を教えてくれていた友人などは、
何かと連絡をくれて、
私を外に連れ出そうとしたり、ご飯を届けたりとずっと気にかけ続けてくれました。
そんな友人の力もあって、
3ヶ月目くらいからは本当にうつ病?というくらい元気に。
病院には通い続けていたし、睡眠導入剤も精神安定剤も処方されていたんですが、
会社に行かなければ、ある程度普通の生活ができる状態だったんです。
そう、仕事サボりたいだけじゃないの!?と勘違いされるパターンのヤツです^_^;
ここからは日が経つごとに、遊びが大胆になっていきます。
友だちの家で一緒にご飯を食べていたのが外食になり、遠出するようになり、
次第に一人で遊びに出かけるようにもなります。
ここまで来ると、完全に仕事サボっているのと同じ感じ^_^;
でも、眠れないのは変わりなかったし、
1日遊んだら1週間くらいは体がしんどくて動けなくなります。
でも、そういう病気もあるんだなと自分がなってみて分かりましたよ。
頭が痛いとかお腹が痛いといって学校に行けない子どもが、
親が学校を休むと連絡した途端元気になるといった話をたまに聞きますが、
これも、もしかしたら軽いうつ状態なのかもしれませんよね。
うつ病は症状などによっては、
原因となるものから離れていると元気だったりするようです。
元気だから治ったとか、元気だからうつ病はウソだなどとは思わない方がいいです。
これも、病院の先生の診断にお任せするのが一番です。
うつ病完治までの道のり
病院でうつ病と診断されてから、会社に復帰するまで私は6ヶ月かかりました。
まだ当時は会社の中で、病気からの復帰プログラムのようなものがなかったので、
7ヶ月目からは会社の応接室に出勤です。
まずは1時間から、少しずつ時間を延ばしていくのですが、基本的には人とは会いません。
応接室の中で一人で過ごします。
非常に退屈です^_^;
でも、私を連れ出してくれていた友人などは、
応接室に会いに来て、仕事をさぼったりしてましたよ(笑)
会社としては、まず出勤することに慣れることから始めさせたかったんですね。
もちろん仕事を全くしていないし、
帰りたくなったら帰っていいのでこの間は給料なしでした。
このあたりは、勤めている会社によって対応が異なるでしょう。
応接室への出勤を1ヶ月続け、いよいよ通常の復帰となりました。
元の部署には戻ることができない(上司がいるから)ので、別の部署へ異動。
新しい部署はのんびりした環境だったので、そこで少しずつ会社に慣れていきます。
もちろん、まだ病院への通院は続いています。
病院へは、1週間に1回 ⇒ 2週間に1回 ⇒ 1ヶ月に1回と回数が減っていき、
薬の量も少しずつ減っていきます。
私は1回に最大3錠まで飲むことができる安定剤だったんですが、
先生の指導のもと、3錠から2錠へ、2錠から1錠へと減らしていきます。
睡眠導入剤?も1錠から0.5錠、1/4錠へと減らしていきます。
こうして年月が過ぎ、先生から「もう大丈夫!」と言っていただいたのが、
発病から6年後でした。
最後の通院日には、看護師さんから
「ここは病院だから・・・二度とここでお会いすることがないように願ってますね」
と言っていただき、本当に嬉しかったです。
長かった~。とにかく長かった。
うつ病と気づくきっかけまとめ
うつ病は、自分で気づくのはなかなか難しいです。
特に『まさか自分が!?』と思っている人は気づけないでしょう。
そして、気づくのが遅ければ遅いほど、治療期間も長くなるだろうし、
自分自身も辛い日々が続きます。
あれ?なんだかいつもの自分と違うぞ!?と感じたら、
すぐに精神科や心療内科を受診した方がいいですよ。
私は、比較的軽かったとはいえ、結局完治まで6年の歳月がかかったんですから、
軽く考えていい問題ではありません。
この体験談が、もし何か思い当たることがある人の参考になってくれれば嬉しいです。
自分をもっと大切にしていきたいですね。