11月や12月になると、
そろそろ今年も終わりに近づいてきたなぁと感じてきます。
そして、年賀状の準備を始める時期でもあります。
さて、年賀状の頭にある「謹賀新年」「賀正」などの言葉ですが、
結構種類がありますよね。
それぞれに異なる意味を持っているのですが、
実は、使い方を間違えると相手に失礼にあたる場合があるんです。
そこで今回は、
年賀状のあいさつに使う言葉の意味や使い分け方についてご紹介していきます。
年賀状の挨拶に使う言葉(賀詞)の意味は?
年賀状の冒頭にある「迎春」や「謹賀新年」などの言葉のことを
「賀詞(がし)」と言います。
本来は、年賀状に限らずお正月用語として
お祝いの挨拶で使われる言葉なんです。
この言葉(賀詞)は、1文字のものから4文字のものまでいくつかの種類があり、
それぞれ意味が違います。
言葉の意味だけでなく、
この文字数にも大きな意味があるようなんです。
まずは、言葉の意味から見ていきましょう。
★1文字の賀詞と意味
・賀:おめでたいですね
・寿:おめでたいですね
・春:新年おめでたいですね
・福:幸せなことですね
など
★2文字の賀詞と意味
・賀正:正月を祝います
・迎春:新年を迎えましたね
・新春:新しい年ですね
・慶春:新年を喜びます
など
★4文字の賀詞と意味
・謹賀新年:謹んで新年をお祝いいたします
・恭賀新年:うやうやしく新年をお祝いいたします
・迎春万歳:新年を迎え、お喜び申し上げます
・一陽来復:新年を迎え、お喜び申し上げます
など
★文章での挨拶
・新年おめでとうございます
・あけましておめでとうございます
・謹んで新年のお祝いを申し上げます
・新春のお慶びを申し上げます
・謹んで年始のご祝詞を申し上げます
など
年賀状によく使われる賀詞とその意味をご紹介しました。
まだ寒い冬の季節の真っ最中なのに、
賀詞の中で「春」という言葉が使われるのは、旧暦に関係あるようです。
現在の1月が旧暦では2月の立春頃となるため、
旧暦では、お正月は春の始まりだったからなのだそうですよ。
年賀状の挨拶(賀詞)で気をつけたいこと
年賀状の賀詞をいくつかご紹介しましたが、
書くときに気をつけたい注意点についてご紹介します。
「新年あけましておめでとう」はダメ!?
「新年あけましておめでとうございます」
一見何も悪くない気がしますよね?
でも、これはNGだと言われているんです。
「あける」には、ある時間や期間、状態が終わって、新しくなるという意味があります。
そのため、
「新年あけまして」だと新年が終わりましたという意味になってしまうのです。
ただ、「あける」の意味は他にもあり、解釈によっては
「新年あけましておめでとうございます」は正しいという意見もあるそうです。
解釈の違いとはいえ、
めでたくない意味を持った言葉を使うのは良くありませんよね。
ですので、書くときには「新年おめでとうございます」または「あけましておめでとうございます」のどちらかが適していると言えます。
賀詞の重複使用に気をつけて
年賀状の冒頭で「恭賀新年」と書き、
挨拶文の中で「あけましておめでとうございます」を書いてしまうと、
賀詞が重複してしまいます。
賀詞の重複はマナー違反となるそうですので、どちらかだけ書くようにしましょう。
英語の挨拶「A Happy New Year」は間違い
年賀状に英語で挨拶を書く場合がありますよね。
しかし、「A Happy New Year」は間違いなんですよ。
頭の「A」は不定冠詞のため、Aをつけると「良いお年を」という意味となり、
年末のあいさつの表現となってしまいます。
年賀状に書く場合は、「Happy New Year」が正しい表記ですので、
気をつけましょう。
年賀状で使う挨拶(賀詞)の使い分け方
年賀状のあいさつに使う賀詞について、
先ほど意味をご紹介していきましたが、意味を見て何か感じませんでしたか?
そうです、1文字や2文字の賀詞と、4文字の賀詞では
ちょっと雰囲気が異なりますよね?
実は、4文字の賀詞は、
丁寧で、且つ自分をへりくだった表現をしているのです。
反対に、1文字や2文字の賀詞は、
友人に話しかけているような軽さがありませんか。
そのため、1文字や2文字の賀詞で目上の人に年賀状を送ると
失礼にあたってしまうのです。
目上の人に送る年賀状には、
4文字の賀詞あるいは文章でのあいさつを使うようにしましょう。
人によって賀詞を使い分けるのは面倒だな、という場合は、
4文字の賀詞を選んで年賀状を書くのが無難ですよ。
元旦と元日は違うの?
年賀状に、平成○年元旦または元日と書くと思いますが、
元旦と元日の違いはご存知ですか?
実は、同じように見えるこの2つの言葉ですが、
意味は異なっているんです。
元旦も元日も、1月1日のことを指しているという点では同じです。
しかし、元旦の「旦」には「夜明け、日の出」という意味があるため、
厳密に言うと、「元旦=1月1日の朝」となるのです。
昔は、大晦日で少し夜更かしし、少し遅めに起きた1月1日の朝には
郵便ポストに年賀状が届いていたため、「元旦」を使うことが一般的でした。
しかし、近年は1月1日の午前中に年賀状が届かない地域も多くあります。
ただ、厳密な意味とは関係なく、
「一刻も早く、あなたに新年のあいさつを伝えたい」という思いから
現在も元旦を使う人が多くいるようです。
個人的には、意味を無視したくないので、
1月1日に届くよう準備したのなら、「平成○年 元日」が無難だと思います。
また、投函が遅くなり1月1日に届くか心配な場合は、
「元旦」や「元日」を避けて、「吉日」を使う方法もありますよ。
まとめ
年賀状を書く際、何気なく使っていた言葉にもそれぞれちゃんと意味があり、
使い方を間違えると新年早々失礼なことになってしまいます。
相手に思いを伝える年賀状ですので、
気持ちよく受け取ってもらえるようにマナーには気をつけたいですね。
賀詞の意味に気をつけながら、
ぜひ相手に喜んでもらえる年賀状を作ってくださいね♪