3月3日は桃の節句。
この日に行われる年中行事といえば、「ひな祭り」ですよね。
ひな祭りには、お雛様や菱餅を飾り、
ちらし寿司や雛あられを食べたりします。
その際、何か白い飲み物を飲んだ記憶ありませんか?
これ、甘酒だと思っている人が多いですが、
本来は「白酒」というお酒なんですよ。
そこで今回は、ひな祭りに飲む「白い飲み物」について、
飲む意味やアルコール度数など、まとめてみました。
ひな祭りの子供の飲み物は?
3月3日の桃の節句に行なう行事は「ひな祭り」ですね。
元々は「上巳の節供」と言われていました。
女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」には、
様々な行事食とともに、「白い飲み物」を飲んだ記憶がある人も多いと思います。
ひな祭りに飲むこの白い飲み物は、「白酒」というお酒です。
ですが、子どもにお酒を飲ませるわけにもいかないので、
「甘酒」を白酒の代用として飲んでいるのです。
でも、そもそも女の子のお祝い行事なのに、なぜお酒である「白酒」なんでしょうか。
ひな祭りに白酒や甘酒を飲む意味について調べてみました。
ひな祭りに甘酒の意味は?
ひな祭りには、子供に甘酒を飲ませるご家庭が多いようですが、
なぜ甘酒なんでしょうか。
それを探るには、
まずはひな祭りに白酒を飲む理由から知っておきましょう。
ひな祭りに白酒を飲む意味は?
ひな祭りで白酒を飲むようになった由来には、諸説あるようです。
ひな祭りの3日3日は、
五節句のひとつである「上巳の節句」の日で、
昔は、男女関係なく邪気を払う季節の節目の行事だったそうです。
しかし、ある時期から女性のためのお祭りに変わります。
これには、こんな伝説が関係しているようです。
『昔、大蛇の子をお腹に宿してしまった女性が、
3月3日に白酒を飲んだところ、大蛇を流産させることができた。』
そのため、3月3日は女性のためのお祭りであり、
子孫繁栄や厄除け、厄払いの意味を込めて白酒を飲むようになったと言われています。
そして、白酒のもう一つの説。
中国には「桃香酒」というお酒があります。
桃香酒は名前の通り「桃の香りのするお酒」です。
美味しそうですね^ ^♪
桃は、中国では子孫繁栄をもたらす霊木であり、
実は不老長寿の仙薬であるのだそうです。
日本でも、ちょうど旧暦の上巳の節句の頃に咲く桃には、
邪気を払う力や、百歳(ももとせ)まで生きるという長寿の意味があります。
そのため、室町時代には、
上巳の節句で、桃の花びらを浮かべた「桃香酒」が飲まれていたのだそうです。
しかし、江戸時代頃になると、
桃香酒よりも飲みやすいとして「白酒」が好んで飲まれるようになり、
次第に、ひな祭りには「白酒」が主流になっていったのです。
このように、ひな祭りに白酒を飲むようになった由来を見ていくと、
「白酒」は、もともと子供のための飲み物ではなかったんですね。
それが時代ととともに、
上巳の節句自体が、良縁や健康、成長を願う女の子の行事へと変化し、
その中で白酒を飲む部分だけが残ったというわけなんですね。
ひな祭りに甘酒を飲む意味は?
ひな祭りには、厄払いと不老長寿を願い、
白酒を飲むようになりました。
では、甘酒にはどんな意味があるのでしょうか。
白酒はアルコールが入っているため、
ひな祭りの主役である、女の子が飲むことができません。
そのため、見た目が似ていてアルコールの入っていない甘酒を
子供のために用意したのが始まりです。
また、白酒は作るのに時間がかかるけど、
甘酒は「一夜酒」とも呼ばれるほど簡単で、1日で作ることができるため、
庶民から親しまれて広まったとも言われています。
つまり、白酒の代用として甘酒が広まったのです。
とはいえ、白い飲み物には、
体内の穢れを洗い流してくれる(潔白)という意味があるので、
甘酒に全く意味がないわけではありませんので、安心してくださいね。
白酒や甘酒は、酒粕や麹から作られているため、
ビタミン、ミネラルが豊富。
健康や美容にとても良いと言われる飲み物ですので、
女性のお祭りである「ひな祭り」に白酒や甘酒はぴったりですね。
甘酒にもアルコール!?子供に注意
ひな祭りには、白酒を飲むのが本来ですが、
アルコールが入っているため、子どもは飲めません。
そのため代用として甘酒が広まったわけですが、
実は、甘酒にもアルコールが入っているものがあるというのはご存知ですか?
甘酒なら大丈夫というのは、間違いなんですよ。
甘酒は2種類ある
甘酒には、
酒粕から作られる甘酒と米麹から作られる甘酒の2種類あります。
そして、お子さんに飲ませても大丈夫な甘酒は、
「米麹から作られる甘酒」です。
米麹も酒粕も、日本酒を作る工程の中で出てくるものですが、
どの工程で出るものかによって違いがあります。
この違いを覚えておきましょう。
米麹から作られる甘酒
米麹は、
蒸したお米に麹菌を加え、米のでんぷんを糖化させたものです。
この米麹にお湯を加えてひと晩おくと甘酒が出来上がります。
米麹の甘酒は、自然な甘さがあり、
アルコールがほとんど入っていないのが特徴です。
とはいっても、
アルコールが1%未満と微量ながら含まれていると言われていますので、
子供が飲みすぎないように注意は必要です。
酒粕から作られる甘酒
酒粕は、米麹をアルコールで発酵させた「もろみ」が原料。
もろみを絞ると日本酒ができ、この絞りかすが酒粕です。
アルコールで発酵させているため、酒粕にはアルコールが含まれています。
この酒粕をお湯で溶かして、砂糖を加えると甘酒が出来上がります。
酒粕の甘酒は、甘さが少ないため砂糖を加えるのが一般的で、
アルコールを含んでいるのが特徴です。
酒粕には100g中に約8%のアルコールが含まれているそうです。
甘酒にすれば、お湯に溶かす分アルコール度数は酒粕よりも低くはなりますが、
酒粕の甘酒は子供には飲ませない方が良いでしょう。
甘酒のアルコールを飛ばす方法
1~2杯飲む程度であれば問題ない量のアルコールですが、
甘酒にもアルコールが含まれていることがあります。
アルコールは、沸騰させることで飛ばすことができます。
火にかけて3~4分沸騰させればOKですよ。
甘酒は焦げ付きやすいので、
ゆっくりとかき混ぜながら沸騰させましょう。
ひな祭りに子供に甘酒を用意する場合は、
しっかりとアルコールを飛ばすようにすれば安心ですね。
白酒とはどんなお酒?
ついでに、白酒がどんなお酒なのかも知っておきましょう。
白酒は、蒸したもち米や米麹に、みりんや焼酎を加えて仕込み、
1ヶ月程度熟成させてできる「もろみ」をすりつぶしてできるお酒です。
白い濁りと粘りがあり、甘味のある飲みやすいお酒です。
アルコールは約9%含まれていて、リキュール類に分類されるのだそうです。
甘酒のように、
白酒を自分で作ることは法律で禁止されています。
工程が難しそうなので、作る気にならないと思いますが^_^;
ひな祭りの子供の飲み物まとめ
ひな祭りに飲む白い飲み物の正体は、白酒と甘酒でした。
そして、女の子の行事であるひな祭りに、お酒の「白酒」を飲む風習があるのは、
もともとは、女の子のための節句ではなかったからなんですね。
ひな祭りには、子どもにはアルコールの入っていない米麹の甘酒を用意して、
ひな祭りをお祝いしましょう。
また、甘酒が白酒の代用となった理由が「白い飲み物=厄払い」の意味があるからならば、
甘酒が苦手という子供には、
カルピスなどで代用してもいいかもしれませんね(^o^)
子供のうちは甘酒を楽しみ、
子供が大きくなってからは、ひな祭りに一緒に白酒を楽しめると良いですね♪